日頃からお念仏をお称えになり、ご詠歌を熱心にお唱えくださっていたお檀家の濱田啓子さんが、極楽浄土へご往生なさいました。本日は家族葬を営まれましたが、一般の流れ焼香とは別に、出棺前に詠唱奉納の場を設けてくださいました。迎接院詠唱隊のメンバーで、詠唱奉納をさせていただきました。啓子さんもお好きだった「月かげの御詠歌」と「光明摂取の御和讃」です。これでお別れではありません。生と死はひとつづき。人としての生を終えて阿弥陀如来様の極楽浄土へご往生された啓子さんですが、先立たれたご主人様やご先祖様他皆様と再会なさったことでしょう。あとに残された私たちも、いずれそのときには極楽浄土へすくいとっていただけるようにお念仏をお称えします。またの再会を楽しみに、これからも見守ってください。ともに過ごさせてくださいませ。今日の奉納には、啓子さんも一緒にお唱えくださいましたね。これからも、どうぞよろしくお願いします。
詠唱奉納の場を設けてくださったご遺族ご親族の皆様、本当にありがとうございました。また、会場スタッフの皆様のあたたかいご配慮にも、感謝申し上げます。
啓子さんは、いつもお寺のことを気にかけてくださいました。四季折々の花を育てて、途切れることがないほどに一年を通してお供えくださいました。花大根・イチハツ・アイリス・センダイハギ・タチアオイ・柏葉紫陽花・グラジオラス・百合・菊・・・・。裁縫も手芸も料理もお上手でした。本堂で使わせていただいているたくさんの花瓶敷は、全て啓子さんの手作りです。行事等には手作り料理の差し入れも、度々頂戴しました。美味しくて楽しくて、一緒に宴を囲んだことを忘れません。想い出は尽きませんが、これからも続く「ともいき」の喜びを楽しみに、今後とも宜しくお願い致します。
「月かげのご詠歌 ~法然上人御作~」
月かげのいたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ
「光明摂取の御和讃 ~古歌~」
人のこの世はながくして かわらぬ春と思いしに 無常の風はへだてなく はかなき夢となりにけり
あつき涙のまごころを みたまの前にささげつつ ありしあの日のおもいでに おもかげしのぶもかなしけれ
されど仏のみ光に 摂取されゆく身にあれば おもいわずらうこともなく とこしえかけて安からん
南無阿弥陀仏 阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 阿弥陀仏