素敵なご縁を頂いたのです。境内のお地蔵様の、赤いお帽子に心が止まったと自転車から降りられたところで、ちょうど私と目があったのです。「よろしければ、どうぞ」と、ご本堂にお招きしました。ご本尊様にご挨拶くださり、深く目を閉じていらっしゃいました。

フランスから日本へご旅行の方でした。お話しているうちに、米子へは弓浜絣に興味があって来られたとのこと。今日はレンタル自転車であてなく走っておられたようですが、何という出逢いでしょう。弓浜絣の里のお寺ですし、弓浜絣大好きな私は嬉しくなって、書院で早速絣談義です。日本の藍染めに関心がお高くいらっしゃることも分かり、それならばと弓浜絣職人の中村括りさんに電話でご相談。そして、「今しかない！」のタイミングで、境港市にある絣工房の「工房ゆみはま」さんへ突撃訪問いたしました。

突然の訪問を快く受け入れてくださったのは、「工房ゆみはま」代表の田中博文さんと工房スタッフの皆さんです。藍を新しく建てる準備で、蓼の葉を取り入れていらっしゃるところでした。畑に植えられた蓼や伯州綿がもう摘み取り終わりとなる直前でしたが、今の時期にしか見られない蓼の葉や花、コットンボールも見せていただきました。藍甕には藍の花、すくもやこれから仕込む蓼の葉など、田中代表に丁寧なご説明をいただきました。日本語とフランス語の翻訳アプリやスマホ検索なども使って、コミュニケーションとれるのですね。私の拙い英語も、少しだけは役に立ったのか立たなかったのか。お互いが知りたい伝えたいことは、伝わるのですね。感動でした。

田中さん、スタッフの皆さん、あらためてご縁に感謝です。ありがとうございました。中村括りさんにも、感謝です。そして、遥々フランスから訪れてくださったクロードさん、ありがとうございました。偶然の出逢いは、きっと必然ですよね。一瞬のズレでも実現できなかった今日のこのご縁です。お地蔵さまやご本尊さまのお導きを、とても強く感じました。